1.養育費の意義
離婚時に未成年の子の親権者及び監護権者を定める必要があり、監護親は、非監護親に対し、監護費用(養育費)を請求することができます。
2.養育費算定表
養育費の額を夫婦間の協議により定める場合、裁判所から公表されている養育費算定表を参考にすることが多いとされます。
養育費算定表は、養育費の額を親の年収等に応じて定められており、協議離婚のみならず、調停離婚等でも用いられています。
3.養育費の支払期日のパターン
実務上考えらられる養育費の支払期日のパターンとしては、下記のものがあります。
(1)月払い
⇒養育費の支払期間中に月ごとに支払う方法
(2)一時払い
⇒養育費の支払期間中の総額を一括して支払う方法
この点、離婚後の夫婦間の関わりを減らすために、養育費の一時払いを希望する場合もありますが、一括で養育費を監護親が受け取ると養育費を浪費するというリスクがあるため、一般論としては、養育費の月払いが推奨されています。
4.養育費の支払いに関する終期(養育費をいつまで支払うのか?)
養育費の支払いに関する終期は、18歳、20歳又は22歳までとすることが多いと考えられます。
5.養育費の強制執行の特例
養育費の支払いを求める権利は、定期金債権として、その一部に不履行があるときは、期限が到来していない将来の債権についても債権執行に限り、強制執行することができます。
また、差押可能な債権の範囲も通常の4分の1から2分の1へと拡大されています。
6.養育費を支払わない旨の合意
離婚時に一方が養育費を全額負担し、他方へ養育費の支払いを請求しない旨の合意をしても、公序良俗に反するとまではいえず有効とされます。
ただし、この合意を維持することが著しく不公平等の事情が認められれば、事情変更の原則から、再度その合意内容の変更を他方へ求めることができるとされます。
また、このような合意があったとしても、民法881条では「扶養を受ける権利は、処分することができない。」とされており、子の養育費請求権は、放棄できないことから、親権者が子を代理して養育費の請求を行うことも可能です。